Introduction

中長期的な成長戦略を推し進める三井住友海上では、海外損保事業のオーガニック成長と並行してM&Aによる事業拡大にも注力しています。今回は、三井住友海上におけるグローバルM&A戦略の推進を担う海外事業部事業変革ユニットジャンさんへのインタビューを実施。当社で実施されているグローバルM&Aや海外事業投資の概要、M&Aを推進するメンバーに求められるスキルやマインド、当社でM&A推進の仕事に携わる魅力ややりがい、事業変革ユニットのチームとしての特色・雰囲気などについて聞きました。

Profile

マルセ　ジャン

海外事業部事業変革ユニット

フランス・パリ出身。投資銀行でのM&Aアドバイザリー業務を経て、2022年、三井住友海上へ入社。現在は海外事業部事業変革ユニットに所属し、M&A戦略の立案・推進、案件発掘、実務遂行など、グローバルM&Aに関わる幅広い業務を担当する。最近では米国でのマイノリティ投資案件をリードした。

フランス・パリ出身。投資銀行でのM&Aアドバイザリー業務を経て、2022年、三井住友海上へ入社。現在は海外事業部事業変革ユニットに所属し、M&A戦略の立案・推進、案件発掘、実務遂行など、グローバルM&Aに関わる幅広い業務を担当する。最近では米国でのマイノリティ投資案件をリードした。

案件発掘から調整・交渉まで、グローバルM&Aに関わる幅広い業務を担当

――ジャンさんが所属する海外事業部事業変革ユニットについて教えてください。

海外事業部は三井住友海上の海外事業全体の推進・管理をになうとともに、グループ内の連携も推進しています。その中でも事業変革ユニットは、海外損保事業に関するM&A戦略の策定・推進をミッションとする組織です。案件の発掘から社内外関係者との調整・交渉まで、グローバルM&Aに関わる幅広い業務を担当しています。

――三井住友海上がグローバルM&Aに注力する理由・背景を教えてください。

少子高齢化に伴う国内マーケットの縮小が予測され、また、会社として将来を見据えた新しい専門性や価値提供力を得る必要があることから、当社としても将来の新しい成長機会の探索が必要不可欠となっています。海外企業のM&Aは、そのような成長機会・事業拡大の重要な手段の一つに位置付けられています。

――海外事業部全体では、どのような活動を推進されているのでしょうか？

地域ごとに個別の戦略を立て、様々な活動を推進しています。例えば、世界最大の保険市場であるアメリカでは、既存の事業会社に対する追加投資、新規M&A、資本提携などを通じた収益基盤の強化を進めています。また、アジアでは、医療やサイバーなど、この地域特有のデジタル化を確実に取り込んでいくことに加え、各国のコングロマリットなど、現地企業とのパートナーシップを強化しています。欧州もアメリカ・アジアと同様に、当社の大きな収益基盤の一つとなりつつあるため、引き続き収益力を高めるための様々な事業を展開しています。

また、日本も含む様々なグループ内の成功事例をグローバルに横展開していくプロジェクトを実施するなど、新たなシナジーを生み出す活動も推進しています。事業変革ユニットは、このような海外事業部が展開する各国・各地域での事業戦略をベースに、より大きな事業投資のチャンスを探し出し、実行・推進しています。

――事業投資やM&Aの対象企業は、どのように決めているのですか？

収益性、成長性、シナジー（ポートフォリオ分散を含む）、バリュー、経営のケミストリーなどを基準に常に潜在的ターゲットに関するスタディやモニタリングを行っています。ただ、私たちが「M&Aをしたい」と思うような企業が常にあるわけではありませんし、「M&Aをしたい」と思える企業があったとしても、相手方が「売りたくない」と思えば話は進みません。そのため、お互いにとってのタイミングが重要であり、そのタイミングに至るまでの情報を正確に収集しておくことが不可欠です。

――そのようなタイミングに関する情報は、どのように収集されていますか？

案件ごとにケースバイケースです。基本的にはわれわれのグループCEOたちのネットワークなどから情報を得るのがベストですが、それ以外のアプローチもありえます。例えば、企業が売却の意向を投資銀行などに伝えている場合は、投資銀行経由で案件がスタートすることもあります。また、トップ同士のコミュニケーションで話が進んでいくケースもあります。

M&Aの推進には「柔軟性」「解決思考」「粘り強さ」が求められる

――事業変革ユニットで活躍するには、どのようなスキルやスタンスが必要になりますか？

多くの関係者とコミュニケーションを取りながら仕事を進めていける「柔軟性」。様々な新しい課題に対してソリューションを見出していく「解決思考」。複雑な業務でも諦めずに取り組んでいける「粘り強さ」。この3つのスキルが必要になると考えています。

まず「柔軟性」ですが、一口にM&Aの推進といっても、非常に幅広い領域の業務が存在します。そのため、対象企業の関係者はもちろんですが、社内だけでも経理部、財務企画部、リスク管理部、経営企画部、海外拠点など、多くの部門のメンバーと連携する必要があります。当然、様々な人々とコミュニケーションを取りながら円滑に仕事を進めていくための柔軟性が求められます。

2つ目の「解決思考」ですが、M&Aの推進では、毎日のように状況が変化します。そのため、私たちが想像もしていなかったような課題が発生することも珍しくありません。毎日のように出てくる新しい課題に対し、最適なソリューションを見出して解決していけるようなマインドセットが必要です。

3つ目の「粘り強さ」ですが、M&Aにおいてはバリュエーション（企業価値の評価）が重視されがちです。しかし、実際には契約内容の交渉、各国の金融当局の規制対応なども重要になります。そのような様々な複雑なプロセスに対応しつつ、最後までやりきるマインドも必要になります。

――経理部、財務企画部、リスク管理部、経営企画部など、社内の各部門との連携について詳しく教えてください。

事業投資のプランニングは経営企画部と一緒に行っています。実際に投資を実施するフェーズでは、財務企画部やリスク管理部等と連携していますし、事業投資後に利益を取り込んでいくフェーズでは、国ごとの会計基準の違いなど様々な会計的な論点があるため、経理部との連携が必要になります。

――毎日のように新しい課題が出てくるというお話もありましたが、どのような課題が多いのでしょうか？

各国の法律やレギュレーションの違いから生じる課題や、バリュエーションギャップに関わる課題が多いです。私たちはそのような新しい課題が生じるたびに契約内容や条件、交渉方法を修正していくなど、課題を解決する何らかのソリューションを考えていかなければなりません。

投資銀行時代とは異なるオーナーシップを持ち、様々な種類の案件に挑戦中

――三井住友海上でグローバルM&Aの仕事に携わる魅力・やりがいについて教えてください。

金額的なインパクトが大きい案件が成立したときはもちろんですが、仮に金額的にはインパクトがなくても、新規性のある技術・ノウハウを持った企業や、三井住友海上とのシナジーを生み出せるような企業とのM&Aに貢献できた際には、この仕事に携わるやりがいを実感できます。

私は以前投資銀行に勤めていましたが、投資銀行でのM&Aは、お客さまに助言を提供するアドバイザリーの立場で携わるのに対して、三井住友海上でのM&Aは、自社のポートフォリオを中長期で見据えた上での戦略・推進が求められるため、案件に対するオーナーシップの取り方が大きく異なります。簡単に言えば、より責任の重い仕事に携われる環境があり、その責任の重さこそが三井住友海上でM&Aに携わる魅力であると考えています。

――事業変革ユニットのチームとしての特色や雰囲気について教えてください。

一言で言えばフラットで働きやすい環境です。国籍、出身業界など、バックグラウンドが異なる4名のコアメンバーが、一丸となって最適なソリューションを生み出すため、日々努力を続けています。M&A案件では、他のチームや経営企画部、海外拠点のメンバーとプロジェクトチームを結成し、一体となって推進しています。

――最後になりますが、事業変革ユニットやグローバルM&Aの仕事に興味を持っている方々へのメッセージをお願いします。

金額の大小に縛られることなく、三井住友海上にとってのビジネス的なメリットさえあれば、様々な種類の案件に挑戦できる魅力的な環境が整っています。チャレンジングな仕事を求めている方、日々新しいことを学ぶ努力ができる方は、ぜひ私たちと一緒に働きましょう。

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